担当しているお客様で髪をお尻辺りまで伸ばしている方がいて、つい先日も「ガーシラがヤバいっす」と言う事で店に来てくれた。念のためガーシラとは白髪の事ですね。
その方は青森出身でいつも穏やかで銭湯好き。
なぜ寂聴さんかと言うと、毎回カラーの時に皮膚に色が残らないようピッタリと顔周りの生え際にコットンを貼り付けて、次にしっかりタオルターバンをして、すると頭巾のようになって、ハイ寂聴さん!と言う具合で。
そんな風にカラーリングの工程を進めて鏡を見ると白いコットンが袈裟みたいに見えてくるみたいな。(いじりじゃなくて、本当にとても穏やかと言う感じがするので)
そんな寂聴風を発見をしたのは随分と前で。
それ以降、ついカラーリングを塗り終えた後「それでは20分程お待ちください」と手を合わせながら「最近、なにか徳を積んだことありましたか?」と説法に入るのが恒例となった。
そして、この日もカラーの待ち時間に手を合わせようとしたら、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」風が鏡にあらわれてきて。
私は「あの有名な絵みたいで、、。」と、スマホで「スッ!」と見せて新発見。
この日、寂聴さんが大きな真珠のイヤリングを付けて来ていたので残像と長い髪がタオルターバン風に見えたりして2人で「なかなか、あの雰囲気でてますねぇー」と、名画へ更に寄せるために椅子の角度を調整してみたり。
でも、やっぱり待ち時間には説法と言う事で。
今回のテーマは「銭湯で騒いでる人に向けて如何に江戸っ子風にピシャリとひとこと言えるか?」について耳を傾けました。
本物の寂聴さんについては、寂庵で語った朝日新聞のコラムで大変お世話になりました。
こちらはこちらで、大変ありがたいことです。